半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

医療について

病院のバトルロワイヤルが始まった。

9月26日、全国の医療機関を震撼させるニュースが走った。www.nikkei.com全国の公的病院の中で、近くに同等の科があるけど、症例の集積が悪い病院、救急やガン医療などの実績がやや悪い病院をスコアリングし、悪い方から424の病院がリストアップされ、厚生労…

最期の末梢点滴、どうしてますか?(その2)

これも息子撮影前回の続きです。 hanjukudoctor.hatenablog.com 胃瘻・経鼻チューブは減りつつあり、自然な看取りは増えた。 この場合末梢点滴をどこまで行うかには、現在定見はない。 病院では多くの場合末梢点滴を中断することは少ない。 一方介護施設・在…

最期の末梢点滴、どうしてますか?(その1)

写真のクオリティがいきなり上がりましたが、この写真は昆虫&写真マニアの息子が撮ったもの今回のブログの内容は、今年の9月28日に名古屋で行われた全日病(全日本病院学会)で発表した内容です。*1* * *「ご飯が食べられない時」に、どうしますか? …

臨床研修指導医講習会

先週末、東京の某所にて、臨床研修指導医の講習を受けてきました。 (あ、これは、研修医を指導する医師のための講習会ということになります。具体的にいうと、研修医を指導する場合に、 指導も俺流じゃいかんわけだし、評価の方法もきちんと評価表というも…

軍人皇帝と貴族皇帝の話

「不自由さ」の心象風景。いい車に乗りたい、と思う。* * *少し前のことだが、消費税もアップするということで、車を買うことにした。 ただ、納車は10月なんだって。* * *控えめにいっても、医者は平均収入が高い職業だ。*1 経営に携わらない専門職で…

DNARの難しさ

2019年京都。琵琶湖疏水のインクライン跡、だと思う。最近DNARというのを、もう一度考え直している。 とてもとても難しい。 * * *DNARというのは、Do Not Attempt Resuscitation (蘇生術を試みない)の略だ。 いよいよ状態が悪くなり、急変(心肺停止)…

頭脳労働・肉体労働・感情労働

気がつくと、もう6月に入っているじゃないの! 夏至も近いし、時の経つのは早いものです。* * *そう言えば、ちょっと前に「督促OL」という本を読んでいた時に、 借金の督促みたいなものは、「感情労働」というらしいですよ、みたいなことが書いてあった。…

「へパ医」の未来

実は僕、橋の裏面の水面のゆれるところが大好きなんです。川べりにずっと座っていたくなる。肝臓学会に行ってきました。以前にtwitterで自称脳外科の、匿名SNSならではの攻撃的な方に「ヘパ医」呼ばわりされたことがあります。 まあその先生は、外科至上主義…

SNS時代〜「メディBAR in Osaka」に参加して〜

会場の様子 すし詰めとはこのこと。週末は、プライマリケア連合学会(JPCA)にお邪魔していました。 私は自分は内科医と思いますが、実際プライマリの診療もするわけです。 それよりプライマリケア連合学会には、メタ視点からの有意義な知のフレームワークが…

肝臓関係のOTCの周回遅れぶり

それでも1日くらいは近場の大きな公園に行きました。令和の御代になりました。みなさんお元気ですか?うちの病院は4月30日と5月2日をあけていたので大して休みはとれてません。 連休中の日当直は非常勤医師(バイト)でまわしているんですが、連休中に入院し…

PM 2.5

桜は入学シーズンにばっちりのタイミングであったが、今年の気温は厳しかった。 先週くらいから、喘息のような気道症状に悩まされており、ゆっくり桜を鑑賞する余裕はなかった。* * *もともと小児喘息持ちだった僕は、2001年島根県での研修医の時に、当時…

MRの未来とWebセミナーの今後

SEではやはりあまり綺麗な写真は撮れませんでした。hanjukudoctor.hatenablog.com以前に「地回りMRの未来」という記事を投稿しました。 現実が追いついてきたというか、ここ数ヶ月は地方都市に住む私の近在では、MRの異動の挨拶回りとか、そんなのでかまびす…

医療データの情報共有について その3

続きです。少し間が空いてしまいました。 hanjukudoctor.hatenablog.com hanjukudoctor.hatenablog.com 医療データをどの医療機関でもシームレスに統合するというのは、現状をみるかぎりかなり難しい。 電子カルテはある種の「鎖国」であり、データのI/Oを想…

医療データの情報共有について その2

福生病院の話で、少し間が空いてしまいましたが、前回の続きになります。 hanjukudoctor.hatenablog.com 現状。 おそらくこうあれば便利であろうという完成形。なんとなく、毎日電子カルテを使っている医師なら、答えはみえている。 ただ、現状と未来の間の…

公立福生病院の透析事件について その2

報道がされて一週間ばかりが過ぎた。当初わからなかったいくつかの疑問も露わにはなってきたが、実際、現場の感覚および実際の診療情報がみえないので、論評は難しい。 ガイドラインに則っていたのか、いないのか? 前回も書いたが、今回の事例、僕はガイド…

公立福生病院の透析の事件について 

なんか物騒な事件が飛び込んできたですね。 matomedane.jp医師が透析中止提示 患者死亡 | 2019/3/7(木) 6:24 - Yahoo!ニュース (こちらでは全文が読めます)まずは亡くなられた女性に哀悼の意を表したいと思います。なんせ、同い年ですからね。記事になって…

医療データの情報共有について その1

日本医師会医療情報システム協議会というものに参加してきました。 電子カルテの未来 WHOに、日本の医療は世界一だと言われていた時期があるのは事実だとは思うが、今はどうだろうか? 日本が技術大国であったのは 90年代までで、今では家電などは韓国・中国…

腎友会のミライ

地域では一番大きな透析施設をもつ当医療法人には、腎友会の支部があります。* * *腎友会。腎臓病の患者さんの団体。 かつては政治的に大きな意味をもっていました。 透析黎明期、透析はひどく高額なもので、家屋敷を抵当に入れる覚悟がないと続けられな…

インフル狂想曲 その2

前回のエントリーでは、インフルエンザのこと、といってもゾフルーザについて書きました。 hanjukudoctor.hatenablog.com結局ゾフルーザは僕まだ使ってません。患者さんに「あの新しい薬ないの?」とはいわれましたけど、 「あー、あの新薬、テレビではいい…

インフル狂想曲

インフルエンザ、流行っていますね…… 私年末に医師会の夜間診療所の当番をやったんですけど、有熱患者のうち半分がインフルエンザキットが陽性となっていました*1。 患者さんの数自体はそれほど多くはなかったんですが*2、年末年始の民族大移動で、こりゃあ…

夜間診療 2.0

一応内科医のはしくれとして医療界に身をおいて20年目になります。冬は一般内科医のハイシーズン。 普段の定期通院の患者さんに加え、風邪とか肺炎とか、血管イベントとかいろいろで、じわっと外来診療の数が増えます。 おまけに1〜3月は祭日も多から通常…

医師のSNS投稿は許されるか?

hanjukudoctor.hatenablog.com にも書きましたが、twitterの「医クラ」に、足を踏み入れ、最近はいろいろ交流しています。 おもしろいね、SNS。あと、フォロワーの多い方々の発するつぶやきは、やっぱりおもしろい。しかしTwitterで匿名であれ実名であれ、医…

遠隔診療はどうなったか?

すごい人数でした。興味もっている人は沢山いらっしゃるんですね。この前、第一回日本オンライン診療研究会をみてきました*1。 遠隔診療については、以前にこのようなことを書いています*2。 その1https://hanjukudoctor.hatenablog.com/entry/2017/07/15/0…

地回りMRの未来

どのような文明でも、黎明期には土地が開拓され*1たりして人口が増えて発展してゆきます。 成熟期に入ると単位面積当たりの収穫量は頭打ちになり、コストに対するリターンが逓減してゆきます。 さらに気づかれない形で生産性の低下が先行し、生産性の低下が…

免疫「力」の話

(2007年に旧サイト『半熟ドクター』に書いたものを少しリライトしました) 2018年は本庶先生がPD−1でノーベル賞を受賞され、癌免疫療法の認知度が一気に高まった感あります。非常に喜ばしいことではある反面、高額な民間代替療法としての「癌免疫療法」に患…

塩の効用 その2:

前回の続きです。現代では、高塩分食は、脳卒中・心臓病、腎臓病の原因になることが明らかです。 塩は健康障害の大きな問題であり、長期的には医療費の増大にもつながるはず。 これほど塩分は「よろしくない」わけです。 しかし、なぜ今までは高塩分食が淘汰…

塩の効用 その1:

いま私の所属している医療法人の基幹業務は透析、つまり慢性腎不全の患者さんが多いわけです。腎不全は、当然塩分のとりすぎに気をつけなければいけません。 加えて私は肝臓も専門なんですが、末期の肝硬変で腹水がたまる方にはやはり塩分制限が必要になりま…

メメント・モリ

ACP(アドバンスド・ケア・プランニング)に関する講習会を聴いてきた。高齢であり、多死社会である。*1 仕事として死に立ち会う機会も、個人的にずっと増えたと体感する。いま僕のいる街を見渡してみても、団塊ジュニア世代を当て込んでつくられた結婚式場…

生活保護について、僕が思うこと

そういえば「健康で文化的な最低限度の生活」という漫画がドラマ化され、すくなからず膨れ上がった吉岡里帆の女優価値を少し毀損して終わったことは記憶に新しい*1。 「生活保護」は本来、社会制度でいうセイフティーネットに過ぎない。が、「生活保護」とい…

ピンピンコロリ(PPK)の欺瞞

今週は地域での講話と、別の講演と、妙に忙しい週だった。 どちらも「死」とか「看取り」に関するお話なんであるが、片方はACPとか、死について省察しましょう、というもので、もう一つは「院内で死に際する諸問題(診療の標準化でもあり、リスクマネジメン…