半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

頭脳労働・肉体労働・感情労働

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気がつくと、もう6月に入っているじゃないの!
夏至も近いし、時の経つのは早いものです。

* * *

そう言えば、ちょっと前に「督促OL」という本を読んでいた時に、
借金の督促みたいなものは、「感情労働」というらしいですよ、みたいなことが書いてあった。
halfboileddoc.hatenablog.com

いうまでもなく、医療職なんてえのは「対人援助職」の一つであり、感情労働そのものであることは間違いない。

なのに、なんで、病院の病棟って、看護師さん同士とか、ギスギスしたりするんだろうね?医者も。
患者さんにむけるべき感情労働の分だけ、気をつかいすぎて、それ以上同僚には気を遣えないん、ですかね?
まあいいや、愚痴です。
愚痴愚痴。

* * *

医者の仕事は…看護師の仕事は…とか考えていると、だいたいは感情労働なんだが、もう少し細かい色合いを考えてみた。
感情労働・肉体労働・頭脳労働のコンビネーション、ということになるだろう。

例えば、外来における医者の仕事なんていうのは、頭脳感情労働なんじゃないかなと思う。
肉体はほとんど使わない。そして、頭脳労働オンリーでもない。
特に内科の外来なんて、コーチングとか、認知行動療法だとか、そういうコミュニケーションスキルを駆使してやっているわけですけれど、これってある種のネゴシエーションスキルでもあり、感情労働の要素がかなり強いと思う。

反対に、手術を行なっている外科医なんて、頭脳肉体労働の最たるものではないかと思う。そこに感情労働の要素は少ない。もちろん、手術が終わって、家族に説明をしたり、病棟業務などについていえば、感情労働要素がかなりあるけれど。
麻酔科は、外科医より、肉体労働要素が少ないけれども、やはり頭脳肉体労働だと思う。


そうやって考えたら、頭脳:肉体:感情=( X : Y : Z )のポートフォリオを考えてもいいのかもしれない。*1

外来の内科医は(60:0:40)、Op中の外科医は(40:60:0)、麻酔科医は(80:20:0)とかになるかな?
例えば内視鏡医とかは(30:60:10)とかだろうか。
放射線科の読影バイトなどは(100:0:0)だよな。

病棟の看護師の看護についていえば、これはなかなか難しい。
療養型とか急性期でもだいぶ違うだろうし…
まあ(30:40:30)とでもしておきます。
介護士は、感情肉体労働だね。
(10:60:30)とでもしておきましょうか。

あ、今回の話に結論はないです。
けど、こういうポートフォリオに基づいて考えたら、職業適性とか、メンタルヘルスの職場的な対応とか、もうちょっと定量的な踏み込みができるのかもしれない。まあ、専門職はクラススイッチはできないけどね。

こういうの、すでにあるんでしょうかね?
あと、このポートフォリオの中の「頭脳」部分は、10年以内にAIにとって変わられる可能性はあることも念頭においておきたい。
感情労働と、肉体労働部分は、まだ、すぐは大丈夫だと思う。


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*1:一応注釈しておきますけど、これは、その人の仕事の中の比率を書いているだけであって、頭脳労働の絶対値ではないことに注意。絶対値評価なんて誰にもできないし、たとえできたとしてもそんなもの怖くてとてもあげられません(笑)