半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

医療データの情報共有について その2

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福生病院の話で、少し間が空いてしまいましたが、前回の続きになります。
hanjukudoctor.hatenablog.com


現状。
おそらくこうあれば便利であろうという完成形。

なんとなく、毎日電子カルテを使っている医師なら、答えはみえている。
ただ、現状と未来の間のギャップは、どうやって橋渡しできるだろうか?

* * *

今の各社電子カルテが乱立した状態から、情報を統一するのは、結構むずかしそうだ。
新たに情報システムを作成・配布する、というのが一番コストがかからないかもしれない。
しかし今のベンダーをすべてぶっ飛ばして、一社統一するのは、政治的に難しいでしょうね。
おそらくすべてのベンダーに共通規格を提示して、I/Oを共通化し統合した運用ができるようにする、日本的な落し所で解決されるだろうなと思います。

いずれにしろ、Input⇔Outputのどちらも、医療データの情報共有に関しては、電子カルテから相当のデータを吐き出し、また流入させることを許す体制が必要になります。
が、電子カルテって、基本的にめっちゃ鎖国なんですよね。
ベンダーは、電カルの端末がインターネットに接続されていることさえ嫌います。
ベンダーの言いなりになっている多くの病院では(うちもそうです)電カルの端末はネット接続されていません。
インターネットでの検索などで、別の端末を用意している始末です。非効率きわまりないね。
村上春樹の小説『ハードボイルド・ワンダーランド』の、壁に囲まれた街のようなもので、
入り口も出口も、そこの住人にとっては見当たらない、というのが電子カルテの世界。

要するに、今の電子カルテは、効率よく統合する以前に、セキュリティという名目でI/Oさえ許されていないのが現状。
この状態から、電子カルテ同士をつなげる、という完成形は、普段日常的に電カルを使っていればいるほど、想像もつかない。

都道府県医師会などを主体として、グループウェアも構築されていますが、あれは電子カルテからOutputは受け取っているけど、電子カルテにInputはできない仕様なので、今の所意味がないと、個人的には思っています。お金の無駄です。

つづく(最近記事が長くなりすぎるので、分けました。しかし、その1を整理した内容でしかないですね)