11/23-24は第三回京都ウルトラウォーク103kmに参加していました。
ウルトラウォークは、異常なイベントです。
健脚の昔の人も、基本的には一日に40kmくらいで宿に泊まるわけです。そして翌朝また歩く。ロングトレイルとかもそうです。
しかしウルトラウォーキングは一気に歩くスタイルなんです。制限時間24時間とか28時間とかで。いやー、すごいですね…
でも恐ろしいことにまあまあ流行ってるんですよ。
今回私は二回目の参加。
9/14-15はしまなみ海道ウルトラウォーキングに参加したんですが酷暑や股ずれや靴擦れもろもろで75km地点で無念リタイヤ。
今回はリベンジマッチの気持ちで参加したわけです。
一応103kmの旅程を紹介してみます。
まず、コースはこれ。
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すごいよね。でもこれ前回よりも10km弱縮めたらしいよ。
スタートから第一エイドまで。
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hanjukudoctor/20241123/20241123092409.jpg)
長岡京の細川氏や明智光秀ゆかりの勝龍寺城集合。
とりあえず私は初心者なので、参加者がみんなすごい人に見えます。受付をして開会式を待つ。
スタート。
最初はダマというかダンゴというか、集団の中をゆっくり進む。長岡天満宮前を右折し北上。
前後に参加者がたくさんいる状態で、なんとなくグループ参加の人たちのおしゃべりを聞きながら歩く。
少し上りになり竹の小径をぬける。京都らしいいい雰囲気。
そこを抜け東進すると再開発されたイオンモール併設の桂川駅。そこから少しいくと第一エイド。
ここまではまだまだ元気。
第二エイドまで:
第一エイドではおにぎり二個。まだまだ混雑している。コンビニのトイレも行列していたので、出発して、そこから少し離れたスーパーのトイレを使用させてもらった。
そのあとは淡々と桂川街道を独り北上する。
ここらへんはあまり記憶にない。podcastのコテンラジオをお供に黙々と。
桂川の南岸に至ると、京奈和自転車道。
ひろびろとした河川敷を車の心配なく歩けるのはありがたい。河川敷を遡上し、嵐山に到着。
渡月橋は行列。すごい混雑。
一年を通して最も人出が多い季節。
店もたくさんある。けど、なんとなく心理的な余裕がなく、スルー、スルー。
うろうろする余裕はまだ僕にはない。
橋を渡って今度は北岸をしばし歩く。少し登りになり、亀山頂上展望台。
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疲れに登りはしんどい…と思いつつ、雨が降りだした。
徐々に雨足が強くなり、Gore-Texのレインウェアを着込む。
折り返し地点の愛宕念仏寺まではとにかく人が多く、まごまごしながらもなんとなく到着。
この辺りは携帯の接続なのか、google mapが反応せず難儀した。
そこからはひたすら東進。広沢池をこえると、第二エイドのコンビニ。この時点で16時。
第三エイドまで:
第二エイドは手で食べられる串なしみたらし団子。雨が降っていて休むところがない…テントの隅っこを使う。
エイドを過ぎて雨がさらに強くなる。
この辺から本格的に集団がばらけ始める。雨は止みそうもない。
仁和寺二王門、龍安寺、立命館、金閣寺、北山通り。
鞍馬街道を北上する。もう日もとっぷり暮れて寒い。
ここから鞍馬までは四〜五人の集団に加わる。
レインポンチョを着た慣れた様子の女性が、ロスの少なそうな歩行で淡々と時速5km弱で巡航しており、
その方についていく格好となった。
無言で数人が同じ速度で歩く。自然発生した隊列で淡々と歩く。暗黙の了解で時々引っ張る人が交代する。
山間部の暗い自動車道。市原からさらに道の斜度が上がる。しかし雨はやまない。
第三エイドに着くと19:30。雨はやまない。カップラーメンをすする。塩味と暖かさがありがたい。
第四エイドまで:
第三エイドで確認するとソックスはやや濡れている状況。
だが、鞍馬の薬王峠。不整地の坂で、おまけに雨。どれだけ濡れるかわからないので、靴下を替えるのはその後にする。
とはいえ僕は山には慣れているので、まずまず楽しい息抜きだった。
単独でナイトハイクには躊躇う程度の道だが、何人も通り過ぎるので、なんとなくライトで道が示せるので迷いにくい。
先ほどの集団とは離れてしまい、単独行に。
むしろそのあとの舗装路で雨の方が身体に沁みてつらかった。
静原から市原、二軒茶屋、宝が池から白川通りを南下する。
指定コンビニにて一息つくと流石に雨は小雨になった。
ここら辺は一人で淡々と歩くことになった。
そしてアップルウォッチのバッテリーがついに切れてしまう。
アダプターでこまめに充電するが、あまり回復しない。
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hanjukudoctor/20241129/20241129165101.jpg)
ウルトラウオーキングは、マラソンのような駆け引きやデッドヒートは乏しい。
ぼくより早いペースの人はアクシデントがない限り落ちてくることもない。逆に遅い人が盛り返すこともない。
したがってビッグバンの膨張宇宙論のように、お互いの距離はどんどん離れてしまう。
指定コンビニから西進。京大、同志社の前を抜けて、京都御苑にいたる。
真夜中の御苑。だだっ広い都大路には誰もいない。それにしても先が遠い…
蛤御門を抜けてちょっと北に進み、西進し一条戻り橋。今度は南下して二条城の前を通る。
ここから御池通りを東進。二条通から平安神宮、岡崎公園の前を通り、第四エイド。午前2時の丑三つどきである。
第五エイドまで:
第四エイドではお茶漬け。暖かい食べ物は冷えた身体にはありがたい。
雨足が弱まったせいか、足の濡れはマシになっていた。
今回は靴のあたりも少なく、靴擦れも水脹れによる痛みもない。
しばらくはこの靴下でこのままいっちゃおうと思う。
永観堂、南禅寺の近くは表示が少なく戸惑った。同道していた人の導きで迷わずすんだ。
真夜中の寺社地区をうろうろする属性もバラバラな一行。GANTZみたいだと思う。
華頂道を通り、八坂神社の前を通り過ぎ、ひたすらに東大路通りを南下する。
丑三つ時。勝林寺、東福寺あたりで便意が襲ってくるが、しばらくコンビニのないゾーン。
脂汗を流しつつセブンイレブンまで辿り着くもその店はトイレは夜間不能!
幸いも500m先のセブンイレブンはトイレあいており危機一髪であった。
セブンイレブン伏見稲荷榎木橋店さん、本当にありがとう。
この辺のくだりはうんこのおかげで流石に眠気ゼロ。
しかし伏見稲荷を抜け墨染駅から東進するダラダラ坂の墨染通りで眠気が襲ってくる。
あちこちの路傍で座ったまま仮眠をとるウォーカー達。
眠気は足取りを重くする。ゾンビタイムである。
坂を登り切り伏見桃山城の構内で、犬を散歩していたおじさんに話しかけられて目が覚めた。
「なんかやってるの?」「どこまでいくの?」「ひぇー大変だねえ…」
「僕の後も疲れ切ってゾンビみたいな人が次々きますよ(笑)」目が覚めた。会話って大事。
この辺で夜が開け始める。
3-4回参加しているウルトラに魅せられし単独行のおじさんと同道しさせてもらう。
色々話しながら、伏見桃山の街中、酒どころ、三十石船乗り場、商店街を抜け、京都外環状線をひたすら東へ。
天気は良くなったが、ここから第五エイドまでがひたすら遠く感じた。
気ばかり焦って前に進んでいる気がしない。もうすぐエイド?醍醐寺?
高速を潜って?その先?新幹線?と地図を見ながらまだかまだかと焦れて消耗してしまった。
もちろんこれはいい加減疲れている自分の心の弱さからで、淡々と歩いていればこんな気持ちにもならないはずなのに。
第五エイドにようやく着いて心底ホッとする。
ゴールまで:
第五エイドではあんぱんとコーンスープ。この時点で9時半。
ここからはあと少し。山道を越え大津に至る9km。
古道の峠というからどんな道かと思ったが、単に斜度の多い普通の道だった。100mほど登るが、こういう道は慣れている。
小関越えから三井寺の近くを通り琵琶湖疏水の横を通り過ぎて琵琶湖畔をすすみ、大津なぎさ公園のゴールへ。
最後あろうことかまた雨が降ってきた。
とことん雨に祟られた大会だったが、無事に完歩できてよかったと思う。
ゴールは11時半。25時間22分でした。
おじさんと喜びを分かち合うが、最後らへんで判明したのは、おじさんはほぼ同い年でした。
だいぶ人生の先輩だと思ってた。
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