半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

R.I.P. my lip

 去年の今ごろも書いていましたが、リップクリームの話。

 リップクリームってのは、いくら家に予備が沢山あったとしても、持って出ていなかった時に唇がぱりぱりしていれば、それはもう、買うしかないのだ。

 マーフィーの法則ではないが、リップクリームを持って出てこなかった日に限って、唇は荒れるのである。

 で、しょうがないから出先で買う、この繰り返しで、家の中にリップクリームはどんどん増えていきます。(逆に、使い切ることはあまりない)。あんまり増えてきて、一時は十本を越したもんだから、これは溜めてネタとして写真を撮ろうと思って、使い切ったやつとかも全部まとめてストックしていたら、処分されちゃいました。確かに、我に返ってみれば何の価値もなく、捨てられて当然。

 

 それにしても生活スタイルの変化が、こういうリップクリーム持ち歩きにも随分影響するものです。

 冬の間、僕はリップクリームを大抵持ち歩いています。服、大抵はズボンのポケットに入れている。多分フィリップ・マーロウが拳銃を持ち歩くのと同じ程度には持ち歩いていると思う。

 で、家に帰ると、ポケットの中のものを、いつも置くテーブルとか、サイドボードだとか、そういうところに置くわけ。外出する時にはそうやってまとめて置いた、鍵や携帯とかをポケットの中に入れる。いわば、"Deposit Site"を構築するわけですよ。これが独身でワンルーム住まいの頃からの僕のゆるぎない生活リズムでした。それ以外にも、部屋のあちこちにはリップクリームが置いてあり、どこからでも手を伸ばして使うことが出来ます(この辺のライフスタイルは高野文子著『るきさん』と同じです)。

 しかし、そういうワンルーム形態から現在は非ワンルーム生活になりましたから、持ち物を置く定位置が、今ひとつ定まらなくなったんですね。"Deposit Site"を構築できなくなった。そして、今までのようにあちこちに部屋にリップクリームを置いていても、片づけられてしまうんですわ。携帯とか鍵とかはそのままにしておかれるんですけれども、リップクリームとかは、薬箱的な箱に納められてしまうわけ。

 これは、リップクリームを資産として捉えれば、今まではまさに分散投資して、リスクをヘッジしていたのに対し、現在はそういう一極集中という弊害を……あ、うん?いや僕が悪かった。そうだね、片付かないもんね。

 出先での問題は、かばんの中にリップクリームを入れてさえおけば解決する話です。女性はそうですよね、ハンドバッグにそういうの入れておく。

 でも男性としては、そういう習慣がない。携行品を女性はハンドバッグに入れますが、僕は財布・携帯、鍵などすべてズボンのポケットに入れて済ます派なので、リップも同様の扱いになるというものです。鞄にしまうには、ちょっと抵抗がある。

 抵抗があるっちゅうか、単純にめんどくさい。使ったあと、鞄にしまう習慣があれば、それでOKなんでしょうけれども、長年の癖で、使ったあとはズボンのポケットに入れてしまう。そしてそれは、家に帰ってきたあと適当なところに置かれ、そして回収され薬箱に収まる、と、そういうライフサイクル。

 

 ところで、最近コンビニでも、メンソレータム薬用リップ二本パックで売ってたりするんですよね。しかも結構安くて、一本入り+100円くらいの値段。

 出先で、リップクリームを買わなければいけない羽目に陥った時に、「おお!これは安い!」と買いかけるんですけれども、いつも考え直して寸前で思い止めています。そりゃそうだ。