コロナ、コロナ、コロナ…
いやはや、えらいことになった。
世界を俯瞰すると、このコロナウイルス(COVID-19, SARS-CoV-2)というやつは、民主主義社会とグローバリズムの脆弱性をつくように出現したように思える。
まあそんな大きな話はさておき、狭いコミュニティに生きる我々医療従事者は踏みとどまって脅威と戦わないといけない。
正直、結構怖い。
日本が、イタリアみたいになったらどうするか……
コロナウイルスとの水際戦で命を落とすかもしれない……とか考えると気が滅入る。
昔の飛行機乗りがやったように、遺書(今風ならエンディングノート)は書いておいた方がいいのかもしれない。*1
* * *
コロナウイルスがはびこる世界。
できるだけ感染しないよう気をつけたい注意点を列挙してみた。
いわゆる江戸しぐさ、ならぬ、コロナしぐさ。
(僕は感染症の専門家ではないので一般医家の穏当な意見ですのでご注意ください)
Social Distancing
とりあえず人混みは避ける。可能なら。
ただ、東京とかだと、人混みを完全に避けることはできないだろう。可能なら、だ。
東京という超人口過密都市のすごいところは、これだけの密度にも関わらず(いや、だからこそ)お互いに干渉せずパーソナルスペースを最大化すべく譲り合っているところだ。
欧米では「Social Distancing」といって、感染の蔓延を防ぐために距離を取ろうと叫ばれているが、日本人は平時でも相当distancingができてる。
まあそれが、少子化であったり、年間性交回数ダントツで最下位につながったりもしているわけだが。
普段から友達がいないぼっちよろしく、日本人はこの点では圧倒的に有利だ。
よかったね。
マスク
マスクの効果には結局エビデンスはない。
が、日本人は以前から感染流行期にマスクは当たり前につけていた。
この行動は、やはり感染防御に貢献しているような気はする。
我ら、腐海のほとりに住む辺境の民。
トルメキアとは違うのだ。
常時マスクをつけている煩わしさは『風の谷のナウシカ』を思い起こさせる。
風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」
- 作者:宮崎 駿
- 発売日: 2003/10/31
- メディア: コミック
手指衛生消毒
手指衛生消毒をきちんとしましょう。
もっとも大事なのは、飲食をするときにウイルスをいかに体に入れないか、ということだ。
(これはコロナに限らず、ノロウイルスとかインフルエンザも同じだけど)。
1.ながらお菓子
例えばお菓子をつまみながら運転する、とか、デスクワークしながらお菓子を食うとか。
そういう「ながら」行動。多分いけない。
作業をしながら食べ物を指でつまむ、という行動は、環境(テーブルやPC)に飛沫感染で付着したウイルスを指になすりつけたものを、わざわざ食べ物にうつして食っているようなもの。
また、お菓子を長時間開封しておいておくのも、あまりよくない(自宅ならそこまで気にしなくていいかもしれないが)。
スナック菓子を開け口から箸でつまみながら食う「オタクしぐさ」は、手指衛生的には割と合理的ではある。
2.スマホを触る
スマホは常時手指が触れている。
なので、病原体が疑われる環境で、スマホを触るとかなり危険だ。
例えば、危険な環境(電車とか、病院の外来であるとか)でスマホを触る。
そのあと手を洗っても、スマホをそのままにしてるなら意味がない。
そのスマホを、飯を食いながら触ってたら、はいアウト!
スマホのディスプレイに付着したウイルスは体に入る。
男の一人飯、例えばラーメンとか松屋とか吉野家とか、黙って飯を食う。それはいい。しかしスマホ触りながらは、やめた方がいい。
飯食う時は「飯食うモード」として細心の注意を払い、余計なものを触らずさっさと終わらせるべき。
また、帰宅したときに、手洗いとうがいは当然すると思いますけど、そのときにスマホも、可能なら洗おう。
あと、医療従事者のみなさんは、職場でPHSを持ち歩いていますが、休憩時間、食事中に、PHSが鳴ったときに、出てしまうと、もう一回手は洗わなきゃいかんですよね。あのPHSは多分結構汚い。これも適度にクリーンナップしよう。
3.共用のタオルは使わない
最近は店舗において、手拭き用にペーパータオルがおいてあることが多い。
が、古式ゆかしいところでは、共用のタオルなどがおいてある。
これは非常に危ない。
ウイルスに感染していた誰かが使ってたら、手洗いのつもりでウイルスを手に付けることになる。
ジェットタオルみたいな空気で乾かすやつは、ウイルスをエアロゾル化するのでは、ということで使用禁止になっている。
どっちにしろ、手を拭くのに困る場所は増えた。
だから、自衛のため、ハンカチやハンドタオルを持参しよう。
ズボンの裾で拭くとかは、服に付着したウイルスが手についてしまうぞ*2。
そして、ハンカチを一回ごとに捨てるわけにはいかないが、可能であれば複数枚持ち歩いて、使ったものは二度と使わない工夫をしよう。
使ったものは洗濯に回す。同じものを何日も持ち歩かない。*3
これはまだ大丈夫だが、地域全体の感染率が10%以上のフェイズがもしくるなら、家族で暮らしているような場合、もはや家族の誰が感染しているかわからない状態になるかもしれない。
手指衛生消毒のあとのタオルは、個人ごとにわけた方がいい(これは家族ノロウイルス感染などでは普通に行うことだ)
4.マスクをポケットにしまわない
マスクは現在貴重品で、おそらくこの感染禍がおさまるまで、潤沢に使うことはできないだろう。
おそらく医療現場以外のマスクは、何日か使ったりすることもある。手作りの布マスクならなおさらだ。
マスクをつけるときに大事なのは、マスクの極性(表裏)だ。
マスクの裏っかわ(口・鼻が触れるところ)はいつも同じ向きで、外気に触れる面とは区別する。
外側はウイルスが付着しているかもしれないからだ。
もしポケットにマスクを折りたたんで入れると、外側と内側が触れ合う。ポケットのへりにもウイルスが付着するかもしれない。
そうすると、ポケットからとりだして装着するときに、裏にウイルスが付着していると、むしろウイルスを体内に押し込んでしまう。
推理小説の毒物トリックみたいだが、これがマスクをポケットに入れてはいけない理由だ。
しかし、実際マスクを外したあともう一回使うまでどうするか…
携帯用マスクケースはやっぱり必要な気がするね。
5.安全な食べ物は何か?
アウトブレイクがもう進んだ先のことを想像してみよう。
かなり感染が当たり前になることがあれば、飲食関係者の不顕性感染も出てくる。
そうなると、それを介してさらに感染者は増える。
何を食べたらいいか、難しい時期はくるかもしれない。
そんな中、コンビニの食事は比較的安全であるように思える。
しかし、感染した人も食料を調達するために立ち寄っているかもしれないし、店員も不顕性感染かもしれない。
食品のパッケージの表面にウイルスが付着している可能性は否定できない。
表面の包装を触った手で、食べものに触れると、感染するかもしれない。
家に帰って、さらに移し変えて、手を洗って食べるか、それとも、外の包装のみを触り、中の食品には触れないようにして食べるか。
ちなみに、コンビニのおにぎりの、海苔が分離しているやつありますね。フィルムを抜き去ってパリパリの海苔を楽しめるやつ。
あれ、実は結構厄介です。外包装を触った手で食品に触らずに完成させるのが、構造的に難しい。
パンとかにしても、蒸しパンとかの、中身に薄い紙ついているやつも、わりに難易度高いですね。
まとめ
- ながらお菓子はやめよう。だらだらと飲食を続けることはリスクを増やす。
- スマホ・タブレットを触りながらの食事はやめよう。可能ならスマホを洗おう
- タオルの共用をやめよう。今の情勢だと、ハンカチかハンドタオルは持ち歩いた方が無難だ。可能なら複数枚。ハンカチはこまめに洗濯しよう。
- マスクの扱いは、結構難しい。感染がやばくなってくると、携帯マスクケースは多分必要になってくる。
今は東京大阪を除いた地域は、まだ感染が本格化していない。ゲームでいえば「チュートリアル」状態だと思う。
実際に街を歩いている人がコロナウイルスを持っている可能性は、まだまだ少ない。
今のうちに、感染防御しやすい「コロナしぐさ」を訓練しておこう。
東京大阪は… うーん、頑張りましょう。
序盤ですが、すでにゲームは始まっています。
ぼやぼやしていると撃ち殺されてしまいますよ。
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