半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

秋風

お久しぶりです。

みんな、生きていますか?

僕は、何とか生きています。

* *

 福島の産科医の先生が逮捕された事件は、結局無罪控訴なしで結審となり、ほっと胸をなでおろしました。

 逮捕された先生も含め、亡くなられた当の患者さん、家族の方、多くの人に大きな影響のあった事件でした。こんなことは僕がいまさら書く必要さえないわけですけれども。まるで地獄の釜の底が開きかけたような感もありましたね。思ったより開かなくてほっとしました。

 しかし、戦争と同じですが、この騒動では他人の見たくない部分を沢山見てしまいました。

 ところで、相変わらず現場の医師にとって酷薄な状況は続いています。

 当の自分も、そういうところにおりますものですから。

 去年から僕は大学病院から、いわゆる市中病院に派遣されました(当然、表向きは「自由契約」ですから、自分の意思で好き好んで赴任したことにはなっています。ま、別にさ、そういうのはどうでもいいんですけど)。ここ最近は自分を茹でられつつある海老だとすると、ちいと温度が上がったぞ、という感じはしますね。

 正直に言うと、受診抑制なども多少はあるのか、救急外来に来る人の総数はちょっと減っています。ですから、仕事の重さでいうと、例えばこの(前回のエントリーとの間の)半年間で、殺人的な忙しさになったわけではない。しかし、なんつーか、全体的なしょっぱさ、みたいな、軽い絶望感が上がったような気もします。

 福島事件の無罪結審も、少し救急患者が減ったことも、自分を取り巻く環境としては、好材料であることは間違いないんですが、どことなく生殺し感があるのは僕だけでしょうか?

 かといって死にたくはないんですけれども。

 いや、違うな。死ぬような目に遭って、今の仕事を(それなりに正当な事由で)辞めたいんだな、僕は。

* *

 じっぽ先生(id:fujipon)、お子様誕生おめでとうございました。

 期を逃してしまったので、なんとなく書き澱んでおりましたが、陰ながら祝福しております。こちらの世界へようこそ。

 そして、じっぽさんの、お子さん誕生に際して書いたあの文章にも、ひとしお感慨深いものがありました。それは、Web上でもにょもにょ文章を書くという点に関しては、私とじっぽ氏は同時期だったということも関与しているのかもしれません。少なくとも、スタート地点は僕とそう変わらなかったはずです。

 しかし、しかし。

 一般的にいう、文章、力、というのとは少し違うんですが、自分が伝えたいことを(こむずかしい要素を巧みに排除して)伝える言葉の確かさ。着実に歩むことで、気がつくと氏がこのような高みに到達しているということに、改めて賛辞を贈らせていただこうと思います。