半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

うちの冷蔵庫には必殺技があった

 去年、いや二年前にファミリータイプの大きい冷蔵庫を買ったんですが、つい先日、出来るだけ速く冷凍する、という必要に迫られて、買ってから一度も使ったことが無かった『急速冷凍』という機能を初めて使いました。イマドキの冷蔵庫には、色々な工夫がありますな。

 使い方は簡単で、急速冷凍用の小さな引き出しが真ん中辺にあるんですが、その中に冷凍したいものを入れて、スイッチを押すだけ。

 そうすると、冷蔵庫が全力を出して、二時間くらいかけてその引き出しの中のブツをガンガンに冷やしてくれるわけです。

 しかし、この『急速冷凍』という機能はえらく人間くさいんですよ。

 ええそりゃもちろん、冷蔵庫は素知らぬ顔で、淡々としていますけれども。

 まず、急速冷凍をしている間は、急速冷凍の引き出し以外の場所、冷蔵庫や冷凍庫を冷やすことが出来ない。つまり、気を100%この『急速冷凍』庫に集中しなければいけないわけ。急速冷凍中は、みだりに他の部屋を開け閉めするなよ、温度が上がっても冷やせないから、とマニュアルにも書いてある。

 持てる力のすべてをこの急速冷凍に投入するわけです。

 つまり、ノーガード戦法ね。

 そして、一度この『急速冷凍』技を使ったあとは、一時間くらいは休まないといけない。連続して急速冷凍の技は使えないというわけです。冷蔵庫もへとへとになるんですね。

 つまり、この『急速冷凍』機能は、いわば、ドラゴンボールなどの格闘漫画によくある、とっておきの最後の必殺技みたいなものなんです。冷蔵庫にとって。

 というか元気玉ですよね、これ。

『急速冷凍!

 みんな、オラに元気をわけてくれ!!』

 急速冷凍スイッチを入れると、ブゥーンと冷蔵庫はうなりを立てて技の体勢に入ります。気を溜めてるわけです。多分、メカ丹田に力を入れているんだと思う。

メカ丹田。もしそのようなものがあるとすればですけれども。