半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

地方講演会の末路

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うさぎが逃げてる、みたいな雲。2025, 岡山
<いや、とにかく暑いですね。暑い暑い。

私は地方の病院経営者でありつつも、いまだに基幹病院で専門外来とかもやっていて、市の医師会の理事とかもやっているから、交友関係が広いと勝手に勘違いされている*1らしく、なんか「地方の顔役」と勝手思われているのか、製薬会社のMRさんが、地方の講演会の企画を持ち込んでくることがしばしばある。
全く「プライマリ・ケア連合学会」的な観点ではNGの態度だ。……プライマリケア連合学会の先生ごめんなさいね。地方の講演会なんて多分5年後には絶滅していると思うからご容赦ください。

そんな僕の卑近な悩みは、「ハイブリッド型の講演会の開始時間。正解はいつやねん」
だ。

製薬会社主催講演会

かつて製薬会社が主催する医師向け講演会は、全国のあちこちで頻繁に開かれていた。
地方の医師にとって、最新の知見を得る「インプットの場」でもあったし、症例などの発表を通じて「アウトプットの場」でもあった。また座長やちょっとした症例発表などのタスクを若手医師に割り振ることで、彼らのプレゼンの経験の場でもあった。医療コミュニティの学びと交流の場でもあると同時に全国学会の地方予選練習試合のようなものだった。

ところがコロナ禍をきっかけに、対面の講演会はほとんど消失する。
その代わりZoomやm3といったインフラを利用したオンラインのブロードキャストが一気に普及した。
また全国学会の単位なども現地に行かなくても取得できるようになった。

自宅や病院から気軽に参加できるのはとても便利で、移動の負担もなくなったのはありがたいことだが、その一方「医師同士が顔を合わせて交流する場」も失われてしまったのも事実。

対面であれば紹介した患者さんのその後のこととか、診療の感想を話し合うこともできるし*2、活字にできないような情報のやりとりもできる。そこにはそれなりの意義もあったように思う。

ただ、コロナ禍も終了し*3、ソーシャル・ディスタンスも無くなった現在も、講演会などはオンラインで開催されることが多い。まあ、製薬会社の地方担当も、息絶え絶えながらしぶとくこの情勢変化に対し、対面もしくはハイブリッドの講演会を復活させようとはしている。

そこで困るのが開始時間なのだ。
昔の対面の講演会は仕事を終えて、現地に参加するためか、19時30分開始というのが定番だった。
しかしオンラインだと、移動時間は要らないため、その時間では遅すぎると感じられることが多い。
働き方改革で、残業も少なくなってきたので、最近は18時や18時30分スタートのオンライン講演会が増えている印象。
働き方や生活リズムの多様化に合わせた最適化なのだと思う。

そうすると、ハイブリッド形式の講演会は何時に始めるのが一番いいのだろうか?
正直まだ正解がわからない。

実は私自身も、製薬会社から「講演会をやりませんか?」と持ち込まれる立場で、いつ開催するのが良いのか頭を悩ませています。聴く分には早い方がいい。19:30はもはや遅すぎる。しかし、現地参加だと、19:00はちょっと早すぎることもある。

ま、正直なところ、「5年後には地方の講演会なんてないよな」と、思うから、
どうでもいいっちゃあどうでもいいんだけどね。

単なる情報提供だけでなく若手の育成や地域の医師同士のつながり、情報共有は、今後も必要だとは思うのだけれども、それが先発薬メーカーの主導で行われていたかつてのありようは、今後おそらく変わらざるをえないと思う。
しかし、どうしたら新たな形はまだ見えない。
どうしたらいいんだろう。医師会員限定のスナックでも作ったらいいんだろうか?
スポーツバーみたいに医師向けコンテンツを流す。食事は近在の一般向け飲食店を使う。
医師講演会のあり方は、これからの医療コミュニティにとって大きな課題なのだと感じています。

*1:酒も飲まないからディープな会食付き合いもないし、そもそもコミュ障なんだよね

*2:オフラインのいいところは、結果がよくない事例についても共有しやすいこと。

*3:コロナは全然終了はしていないが、社会的な観点で