半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

何もできない旦那

2022 福山

コロナ・コロナ・コロナ…
第七波。街の雰囲気は落ち着いた感じではあるが、医療機関では、まだまだ発熱→コロナ陽性、みたいなのはぽろぽろ来る。ただし陽性率はかなり落ちた雰囲気。

むしろ、「末端に浸透」という感じである。普通の行動をとっている人がコロナにかかったり。
介護施設にいたり、在宅の高齢者がコロナにかかったり。クラスターでもなく。

もうコロナ自体があまねくコミュニティに散布していて、事前確率の低い人もポロポロかかる。
逆に、あらゆる家族形態のあらゆるパターンが散見されて、一筋縄ではいかない。
一ヶ月前はよかった。若い子が熱出して発熱→「コロナ!」→解熱剤出して「頑張ってねー」
今は、なんか、微妙な症例が増えた。
ある種コロナの「ラガード層」への浸透といえよう。

「イノベーター理論」の5つのタイプ

「定年後の旦那が何もしてくれない」

「旦那が何もしてくれない」なんて話は女子…というかご婦人方の間ではテンプレの話題でありまして。
女性はなんやかや、ずっと忙しい。
娘や嫁は孫を連れてきて、その世話もする。
盆暮には親族が集まっておさんどんをしなきゃならん。
なんなら姑舅、自分の親の介護などもあったりする。
忙しい。ああ忙しい。忙しくて気が狂いそう!

それなのに、定年退職した旦那はずっと家にいて、朝から悠長に新聞なんか読んでて「ごはんまだ?」とか
ぬかしやがる。あたしがコロナのワクチンでぶっ倒れていた時でさえ!
飯くらい自分で作れんのか!

どうにかならんのか、この木偶の坊。
濡れ落ち葉。

みたいな話。

何でもできる旦那の方がいいのか

しかし、家事もさらりとひと通りこなして、趣味も持っていて、退屈しない会話もできて、気配りもできて…
なんて、自分の旦那にそんな能力が実装されたら、それはそれで、おそろしくないか?

イタリアの老人みたいに、街頭でナンパしたり。浮気したり。もしくは趣味に散財したり。
それはそれで自分の城をおびやかしはしないか?

浮気しない人だって、蕎麦打ちにはまって店を開こうとしたり、同意なく田舎暮らしを決断したりとか突然したりする。勝手に変なことをしだす。
男のロマン」は幼稚園児だろうと、大学生だろうと、ニートであろうと、中年だろうと、老人だろうと、いつでも現実から乖離していたり、突拍子もない。
小人閑居すれば不善をなす。

そう思ったら「何もできない旦那」は、マイナスではない。ただ邪魔で生産性がないだけだ。
上で述べたように、もっと悪いケースだってたくさんあるはずだ。
ゼロの方が、マイナスよりはましだ。

逆に旦那目線で考える。
ひたすらにつまらない仕事に追いまくられ「お小遣い」なんていう奴隷的な制度に縛られ、時間も金もない。
まるで手足をもがれたような状態で、ただひたすらに働く。
家のことには口をださず(出させず)、主体性を失い、会社と家の往復。
まあ、ある種の「飼い殺し」ではある。

そうして、定年退職となって、労働場から追い出されたら「何もしない旦那」の完成。
いや、それは「何もできない」のだろうて。

引退した牛馬は、屠畜され食糧にされることを考えれば、殺されないだけ「まし」なのかもしれない。
いや、そりゃそうだ。「年金」があるからな。

だから、何もできない旦那って、ちょっとうっとうしいだけで、最高な存在なんじゃないか。

ただまあ、女性の側からしてみたら、自分がクソ忙しい時に、のんびりされていると、まあ腹は立つ。

でも考えてほしい。
そうやってリビングで所在なさげに突っ立っている男は、牙を抜き、爪を抜かれ、人畜無害と化した人間の燃え滓みたいな状態じゃないですか。あなたがそれを望んだんでしょう?
家庭に波風が立たぬよう、数々のリスク因子をクレンジングした結果できあがった「つまらない旦那」じゃないですか。甘受しないといけないよね。

ま、素直に「ドムス化(家畜化)」される旦那も旦那だとは思うが、家畜化って楽だからね。
基本的に「男はことなかれ主義」だから。


(追記)
しかしこんなこと書いてる私はといえば、お小遣い制でもなくて、そして基本的に家事もしない。
弁護する余地もなく、クソじゃん。
と気づいた。