半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

メガネの話していいですか?

マニアックな話をしていいですか?

これは密かな僕の趣味。メガネの話。

私は小学4年生からメガネ。
ちなみに、両親も、兄弟姉妹も、配偶者も、子供もみな近眼。
由緒正しい近眼の家系だ。*1
コンタクトレンズは、一度試してみたがしっくりいかず。
そもそも自分の容姿に自信のない人間は世界と自分の間に、メガネという隔壁が少しでもあった方が都合がよい。
……というわけで、コンタクトデビューは、思春期の自分にとっていささかハードルが高かったと言えよう。
そんなわけでメガネだ。
医者になってからは、感染防御の観点からもメガネの方が便利だと思っている。

* * *

そんな「眼鏡が顔の一部」の私の密やかな贅沢は、メガネ集め。
Jins眼鏡市場では買わず、きちんとしたメガネをTPOに合わせてかける。

メガネのいいところは、服は太ったりすると着れなくなるが、メガネはおおよそ体型の問題がない*2ことだ。

最後に買ったメガネは、去年買ったGernot Lindnerというやつ。
メタルフレーム、というか、このメガネフレームが92.5%のシルバー。なんと銀フレームなのだ。

f:id:hanjukudoctor:20190911113722j:plain:w400
Gernot Lindner.

Lunorというドイツの有名なブランド*3のデザイナー、ゲルノット・リンドナー*4が総銀フレームの新しいブランドを立ち上げた…という記事を物欲雑誌で見て、いてもたってもいられずわざわざ東京渋谷のGlobe Specsまで買いにいった。
メガネを買う店は基本岡山の某店と決めているので、わざわざ東京でメガネを買うという不効率を冒してまでも行くということでよほどの覚悟示したわけである。*5

確かにかっこいいメガネで、リュクスな一本として気に入っているのだが、長くはかけられない(後述)。

嫁の眼鏡の話。

こんな感じで、私は色々なメガネを持っていて色々かけわけるタイプ。
ところが、メガネについては我が妻の方がより一途なメガネ愛を持っていると思う。

結婚すると、夫婦の生活習慣は夫・妻両方からもたらされるものだが、我が家の共通の習慣文化のほとんどは妻から私にもたらされた。
逆に、私から妻の習慣を変えた事例はほとんどないが、唯一あるのが、メガネの習慣である。

昔は妻はコンタクトレンズ一辺倒であったが、結婚してから私のメガネ道楽に付き合わされ、そして今では特別な事情がないかぎりほとんどメガネを掛けている。

そんな妻は、基本的に一つのメガネを使い続けるタイプ。
何度かメガネを新調したあと、10年くらい前にOrgreenというデンマークのブランドのメガネがいたく気に入り、それを今もかけ続けている(確かに、よく似合っている)。

f:id:hanjukudoctor:20190911060358j:plain:w400
Orgreen フレームのおもてはブラウンで裏地はピンク。
Orgreenのメガネは結構タフだった。
子育ての時期、乳児・新生児を抱き上げてばっしんばっしん手で叩かれても、そう酷くは歪まない。
ヘビーデューティーにも関わらず劣化も少ない。

とはいえ、ずっと同じメガネをかけていると、エッジのところの塗装もはげてくるし、どうしても劣化はする。
新しいメガネはどうか?という提案をしていても「でもこれ気に入っているしなあ…」という感じで、実際にメガネ店に連れて行ってもあまり心動かされる様子もない。

仕方がないので、買った某店で相談。
Orgeenは定番のラインとして今もこのメガネを売っているので、在庫を確認すると、色違いのがあったので、相談した挙句にそれを注文し購入。
それを入れ替わりに、10年かけ続けたメガネを、工場に持ち込んで再塗装した。
見事なもんで、新品同様になった。

というわけで、今妻は色違いの同じデザインのメガネを二つ持っている。多分今後もこれを掛け続けるのだろう。
こういう執着を見ると、私よりも妻の方がメガネ好きなのではないのか?
と思うときはよくあります。
私は色々なメガネをかけわけるけど、それは単に『究極の一本』に出会っていないだけなのかもしれない。

メガネの硬さ・柔らかさ

ところで、妻にはぴったりはまったOrgreen、自分も二本ほど試したのだが、今ひとつ日常使いにはならなかった。

メガネには柔らかくしなるタイプと硬いタイプがある。
特にテンプル(メガネの角から側面にかけて)の部分のしなりがあるものは、身体にフィットしやすくかけやすい。
反対に硬いタイプは、硬さによるフィット感、かっちり感がいいんだろうと思う。うちの妻は多分後者だ。

前者の代表は、今は日本の代表的なブランドとなった999.9フォーナインズ)であったり、軽さ優先のLindbergやiC!BerlinやMykita
とにかく柔らかく、バネのように力を加えても元に戻る。

色々なメガネをかけてわかったことは、僕は前者のかけ心地しか許容できない、ということ。
後者のメガネ、例えば、Oliver Peoples、Oliver Goldsmith、Robert Marc、Theo、Orgreenなどのブランドはいくらデザインを好もうとも、一週間かけ続けようとは思えない。
残念ながら Gernot Lindnerもその類で、ほとんどしなりがない。
だから、例えば学会や講演会で壇上に上がる時とかにつける「よそ行きメガネ」にしているけど、普段長時間つけるメガネではない。

メガネ好き20年、メガネ装着歴30年にしてたどり着いた真理は、そういうことだった。

*1:ちなみに由緒正しいB型で左利きの家系でもあるし、ハゲの家系でもあるし、食道がんの家系でもある

*2:もっとも程度問題はあって、痩せてる人がかけたらサマになるけど太ってしまったらぷぷっ……というものはある

*3:僕は2002年に一本買ったことがある

*4:ゲルノット・リンドナーといわれても多分普通の人は全然しらない。ジャズでいったら、Toots Thielmansくらいの知名度だと思う。その名前を聴いて、めちゃ有名やん!と思うか、それとも知らん!と思うか…

*5:なお、残念なことにいつもいく岡山の某店も、Gernot Lindnerの委託販売をすることになった。タッチの差であった。