半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

2016-06-12 「艶楽」

2016年6月10日

落語家三遊亭円楽(66)が10日発売の写真週刊誌「フライデー」に、40代女性とラブホテルに入る姿を撮られ、10日午後、東京都内で記者会見を開き、事実と認めた上で謝罪。「軽々しく考えていた」と反省の言葉を口にした。

ここ最近、ベッキー、ファンモン加藤の不倫騒動があり、円楽師匠も不倫報道に対する世間の風当たりを重大に鑑みて、謝罪報道を行ったんだと思いますけど、僕はこれどうかなあと思ったわけです。


と、まあ、tweetしたこと以上の話はないのですが、

現在の日本の少子化および人口減少に歯止めをかけたいのであればいまの婚姻のシステム(もちろんそこには婚姻に関する倫理観も内包される)ではうまく解決できないことは明白です。

先進国の中で出生率が維持されている国、フランスなどを見習って、婚外子の差別(少なくとも法律上の区別)をやめよう、という提言は数年前からなされているんですが、結局のところ、この面に関する法令面での大ナタはふるわれず、今に至っているのは皆さんご存知のとおり。

ただ、一時期、ミヤネ屋の宮根さんの隠し子騒動があったりしましたけど、倫理面にて最も狭量であるとされる「お茶の間」への暴露が多いタレントの割に世間の反応は寛容でした。意外にキャリアにも傷がつかなかった。

 あれをみて、婚外子に関する倫理的バッシングが弱まった?世論的に「見えない力」でも働いたのかしらん、とか思っていたんです。が、どうやらベッキー以後ここ最近の不倫バッシング報道は、バックラッシュが働いているようにも思います。

社会全体のフラストレーションが溜まっていて、倫理的なバッシングで容易にスケープゴートを作る。これは中世魔女狩りのメンタリティそのものだと思う。

それだけ、いま、世の中の変化が激しすぎて社会の構成員たる我々が不安定な状態に置かれていることの証左なのかもしれない。

* *

ともあれ、少子化に抗する社会的処方箋を是とするならば、円楽師匠の行動はさほど責めるに値しない。

いやむしろ、妊娠能力の期待できない40代女性と遊ぶとは何事だ、もっとリスクをとって20代女性と遊びなさい、とさえ言わなければいけないのかもしれない。

* *

え?お前本当にそう思っているのかって?

実は私は人口減少そのものに対しては比較的肯定的に思っているのですよ。

だから「少子化に抗する社会的処方箋を是とするならば」の前提条件がそもそも成立しないわけです。

長期的にみた日本の最適人口ってどれくらいなんだろう?

明治初期が人口4000万…江戸初期が2000万くらいだったと思いますけど、それくらいがちょうどいいんじゃないですかね。

問題は、今の世代の社会保障は次世代に付け回されるという構造の中での急激な人口減でハードランディングが起こっていること。

ただ、では円楽師匠が、こういう謝罪会見をすればよかった、とも思いません。

不倫は家庭内の問題であり、罪は家庭内で断罪されるものであり、謝罪も家庭内でされるものだと思う。円楽師匠が「公人」にあたるかどうか、というのは僕には判断できない。