半熟ドクターのブログ

旧テキストサイトの化石。研修医だった半熟ドクターは、気がつくと経営者になっていました

夏。八甲田山。日曜の早朝。

 東京に行く。研究会のようなものである。

 最近はこういう会の機会を頂くことが多いが、道中片道4時間ほどの新幹線は、考え事をするにはちょうどいい時間だ。

 いましているように、PCの電源を入れて作業をすることもあるし、おしぼりのペーパータオルにとりとめもなく書き付けをすることもある。(マインドマップ?)

 そういえば、前書いた日記も、新幹線の中でだっけ。要するに、普段はまとまった時間がないし、時間をまとまらせないようにしていると言えるかもしれない。

 私は、図太いように見えて繊細で、数年に一度死にたい時期がくる。35にもなって、まるでアドレッセンスのようなことを書いて恐縮であるが、ここ最近は、ちょとt(←このあたりがだ)まいっているみたいだ。

 ま、我が家系には統合失調症も複数おり、由緒正しい外既知の血筋なのだが(その代わりに発症しなかった眷属は概して頭がいい)、幸い自殺者はでていないから、きっと大丈夫とは高をくくってはいる。

 今回の東京行きでは、本来の用事とは別に、古くからの友人と、新しい友人に会った。古い友人というのは大学時代からの部活の友達であり、胸襟を開ける数少ない人間である。会社員なのであるが、最近は会社全体が医療方面にてこ入れをしているせいで、気が付くと医療関係の仕事に携わっているそうだ。アメリカに行っていたのだが、気が付いたら帰国し、家族持ちになっていた。

 新宿で待ち合わせ、だらだらと汗を書きながらスーツ姿で(ファーック!)新大久保の焼き肉屋までゆき、たらふく焼き肉を食べた。東京は熱帯夜である。荷物も重いし死ぬかと思いながら移動した。「まるで『八甲田山』の熱帯夜版みたいだな」と二人で笑った。

 私が八甲田山好きなのは何度か書いたことがあるが、以前、熱く『八甲田山』をすすめたら、彼はわざわざニューヨークの日本向けビデオ屋で入手して観てくれたらしい。

 そういえば、あとで考えたら、彼は私の最近の仕事とか近況について一切詮索しなかったな。その辺が、彼のクールな親切心というものなのだろう。

 話をしたことで、なんとなく、Calibrationができたというか、目釘がしまったような気がする。

* *

 最近は土曜日に東京行き、日曜日に帰る、というパターンが定着しているが、帰る時刻にいつも悩む。

 日曜日の日中を東京で過ごすのは大変魅力的だが、遅くに帰ると次週疲れがとれないし、普段は土日も回診して綻びを繕うのが習慣なので(私は事前にかなりきっちりプランニングするのが苦手だ)、土日に完全にオフにするのであれば、そのつもりで事前に準備をしなければならず、それが億劫である。土日を遊び倒すために木金の仕事を増やすのも、業腹だ。それほどのコストを割いて、やりたいこともないのである。

 ということで日曜日はあっさり帰る。

 そうすると店が空く時間まで待つ必要もない。私は夜飲み歩いたりする習慣もないので、朝は早い。従って、ほぼ始発の時間に帰ってしまう。6時台か、7時台で新幹線に乗れば、午前中に家に帰ることができ、とろりとした日曜の午後が、手元に残すことができる。

 この場合すこし残念なのが、ホテルの朝食である。始まるのは大抵早くても6:30くらいなので、ゆっくり食べている暇はない。上京の際、大抵結構なホテルに投宿するので、朝食を落とすのは残念ではあるのだが、現在私はダイエット中でもあるので(朝食は基本的におにぎり二つ、400カロリーである)。最初から、ないものと思うことにしてはいる。とはいえ、くやしい。

 もう一つはおみやげで、あまりに朝早いと、おみやげの選択肢が、少ない。駅のキオスクで『東京ばなな』的なものを適当に買って飛び乗ることになるわけだが、我ながら毎回芸のないことだな、と思う。